ウェアラブル×遠隔医療はどこまで進んでいるのか
はじめに:遠隔医療は「ビデオ通話」だけではない
コロナ禍をきっかけに、日本でも遠隔医療(オンライン診療)が急速に広がりました。しかし多くの人にとって、遠隔医療とは「医師とビデオ通話をすること」というイメージにとどまっているのではないでしょうか。
実際には、遠隔医療の進化はそれだけではありません。近年では、ウェアラブルデバイスを通じて取得した生体データを医療現場と共有することで、より継続的で予防的な医療モデルへと進化しつつあります。
ウェアラブルが変えた「診療前」の情報量
従来の医療は、「症状が出てから受診する」ことが基本でした。診察室で医師が確認できる情報は、来院時点のバイタルサインや問診内容に限られていました。
しかしウェアラブルデバイスの普及により、
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日々の心拍数
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心拍変動(HRV)
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睡眠の質
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活動量
といったデータを連続的に記録できるようになりました。これにより、診察時には“点”ではなく“線”の情報をもとに判断できる可能性が広がっています。
スマートリングが果たす役割
ウェアラブルの中でもスマートリングは、
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軽量で24時間装着しやすい
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睡眠中も自然に計測できる
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目立ちにくく継続利用しやすい
という特長があります。
遠隔医療において重要なのは、継続データの質と量です。
たとえば、数週間にわたる安静時心拍の上昇傾向や、睡眠の分断が続いていることが分かれば、医師はより具体的な生活指導や追加検査の判断材料を得られます。
どこまでが「医療」なのか
一方で、重要なのは役割の整理です。
現在、市販されている多くのウェアラブルデバイスは医療機器ではなく、健康管理を目的とした製品です。
つまり、
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診断を行うものではない
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医師の判断を代替するものではない
という前提があります。
ウェアラブル×遠隔医療の現在地は、
**「医療を支援する情報基盤」**としての活用段階にあると言えるでしょう。
海外ではどう進んでいるか
海外では、慢性疾患の管理や術後フォローにウェアラブルデータを活用する事例が増えています。特に心血管系のモニタリングやリハビリ支援において、遠隔での状態把握が有効とされています。
日本でも今後、
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高齢化
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医療資源の地域偏在
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通院負担の軽減
といった課題を背景に、ウェアラブルの役割はさらに拡大する可能性があります。
未来は「予防医療」へ
ウェアラブルと遠隔医療の融合が目指すのは、
「悪化してから治療する医療」から
「変化に早く気づき、整える医療」への転換です。
スマートリングのようなデバイスは、日常生活に溶け込みながらデータを蓄積し、医療との接点をよりスムーズにする橋渡し役を担います。
まとめ
ウェアラブル×遠隔医療は、まだ発展途上です。しかし、連続データの活用という観点では、すでに次の段階に入りつつあります。
重要なのは、テクノロジーそのものではなく、
それをどう活かし、どこまでを医療とし、どこからをセルフケアとするかという設計です。
スマートリングは、その境界を穏やかにつなぐ存在として、これからの医療の形を支える可能性を持っています。
